写真のようなフォトリアルなやつでなく、水彩画やコピックで描いたようなイラストが描きたいんじゃ。クリスタくらい自由自在に色塗りしたいんじゃ。
今回はこれをblenderで描きます。
ちなみにbeforはこれ。
という道のりをここに記します。
やりたいこと
影の色
現実の影はおおむね黒いですが、イラストでは黒にすると汚く見えるので青にしたりするやつ。
これに関しては前回の試行錯誤で青くできるようになった。
問題はここから。
謎の光
透過光や反射光であったり、「ここは本当は光が当たらないけど背景に溶け込んでしまうから少し明るくしたい」だとかいう絵画ならではの嘘をつきたい。というか、つけないと絵が描けない。。
これが案外難しくて、ライトを追加して明るくしてみると明るくしたくない所まで明るくなってしまう。あとライトが多すぎて何が何だか分からなくなる。
まぁ、クリスタに持って行って2Dでレタッチすればいいんだけど!!!そういうのができないからblenderやってるんじゃーーー!
筆塗り感
クリスタやフォトショでいう「カスタムブラシ」の部分。影の形を複雑にすることで筆で塗った感じを表現するやつ。
ソリューション
試行錯誤の末、こうやればいいんじゃないかというのを書きます。
ライトをやめる。
Blenderでは(というか全ての3Dソフトでは)ライトで照らして明るくします。
でもライトだと明るさが現実に近くなってしまって細かいカスタマイズができないので、ライトをやめました。
具体的にはこう
ノードはこんな感じ。
「ライトの位置」と書いたところの数字を変えると光の当たり具合が変わります。
まず、「質感」の部分は適当にテクスチャを作って「Vector>normal map」とつなげるだけ。
つぎに「ライト」と書いてあるところ。
図のようにノードを組みます。
dot productとmultiply addの出し方が分かりにくいかもしれない。
「add>converter>vector math」
そしたらdot productにします。
multiply addは、こう。
あとはカラーランプにつなげてお好みの色をつけるだけ。
これで「物体aは上から照らして、物体bは下から照らす」などという現実ではありえないことができるようになりました。
たとえばこういう時。普通にライトで照らすと重なった所が暗くなります。あとハイライトもなんか変です。
これを解消するためにライトを増やすわけなんですが複雑な絵だとライトが増えすぎて訳が分からなくなります。
でもライトをやめれぱ、こう!
ここにさらにハイライトや反射光や透過光を入れていくわけですが、この時点でもすでにだいぶきれい。
難しい設定無しに絵っぽくなりました。
反射光
ライトをやめるソリューションだと、こういう場所の影がでません。
そこでマイナスライト!
ライトの設定をマイナスにすると暗くなります。
マテリアル側の設定はこう。
diffuseBSDFをカラーランプで調整してfacにつないでマスクにしています。
ライトの色を変えると、こんな感じに物体の照り返しが作れます。
ハイライト問題
イラストにおけるハイライトというのは絵を際立たせるためのものなので、現実の光とは全然違うところにハイライトを置きます。
つまり通常の光とは無関係にハイライトしたいところにハイライトしたい。
というわけでここでも「ライトをやめる」で華麗にソリューションしてもしてもいいのですが、ここはあえてライトでハイライトを作りました。
つまり、こう
この白い部分がハイライトです。ライトで制御しているので、ライトを動かすとハイライトも動きます。「ここを光らせたい」と思ったところにライトを追加するだけなので直感的に操作できます。
ノード部分を拡大するとこんな感じ。
スペキュラBSDFにカラーコンバーターでマスクにして同じくカラーコンバーターで色をつけます。
テクスチャを合成
クリスタやフォトショでよくやる、テクスチャを貼って質感を出すやつ。
これが
こうなった。
次回は透過光やサブサーフェススキャッタリングで透明感を出してイマドキな絵にしていきます。