シルクスクリーン印刷がやりたい。
条件は
- 一つの版で500枚くらい刷れる強度
- 多色刷りで誤差0.5mm以内←やばい。
です。
500枚刷るのは版をいくつもつくればいいんですが、誤差0.5mmはやばい。普通3mmくらいずれる。やれるのか…?
とりあえずいろいろ調べてみて、シルクスクリーン印刷ができるまでいくつかのハードルがあることが分かりました。
ハードル1 紗貼り 予算800円から3000円 難易度★
網戸みたいなやつみたいなものを作ります。
これがすでに結構難しい。買うと1000円くらいなので買ってしまってもいいかも。今回私は20枚くらい版が欲しかったので自作をしてみました。
用意するものは
- アイロン
- 枠(100均)
- ボンド(100均)
- 紗(500円)
ボンドはなぜかみなg17というのを使っていますがとりあえず木工用ボンドでもできる。アイロンも安いやつでいい。どうしてもアイロンを買いたくないならg10のようなゴム系ボンドをシンナーで溶かしつつやることもできますがアイロンを買ったほうが楽。
それと
- 目玉クリップ
があると俄然捗る。目玉クリップで紗をあらかじめピンと張ってからアイロンで接着すると失敗しないで貼れます。
やりかた2 予算200円
写真くらいの小さい物であれば、100均の写真立てに100均のストッキングをかぶせて回りをボンドで固定すればできあがりです。とても簡単。
簡単なシルクスクリーンができるよ!
ハードル1を超えてしまえばステンシルのような簡単なシルクスクリーンができます。
用意するものは
- カッティングシート
- カッター
- カッティングマット
- 絵具
- スポンジ
だけ。全て100均で揃います。カッティングシートというのは壁などに貼るオシャレリノベーションアイテムです。
やり方は、カッティングシートを刷りたい形にくりぬいて紗を貼った枠に貼り、絵具でステンシルします。普通にステンシルですが、紗を使うことで図柄のズレが無くなるのでステンシルより細かい模様が作れます。
欠点は水洗いするとシートがべろべろ剥がれることです。一度限りしか使わないならこれで十分ですが今回500枚刷りたいのでもう少しがんばる。
やってみたところ。
適当な型にTシャツくんインクでやってみた。けっこう精密にできました。これなら誤差0.5mmいけそう…!
また、渋紙という専用のステンシルシートみたいなものとカシューという接着剤を使えば、かなり本格的な型染めができます。手ぬぐいなども作れます。
ハードル2 版を作る・露光編
さてここからですよー…
私は今回、文字などのステンシルではできない細かい印刷をしたくて、かつ誤差が0.5mmくらいにするのが目標です。なのできっちりと製版しないといけないです。できれば9ptの小さい漢字も読めるくらいの精度にしたい。
なんていうか素人のくせに何言ってんだコイツって感じですがやりたいんだからやるんだ。
製版では一般的にフィルム写真のように光を当てて溶剤を硬化させます。
ということはフィルム写真の現像と同じように暗室やらライトやらという大掛かりな設備が必要です。
要するに光が当たればオッケーなんだからテキトーでも版は作れるのですが、そうすると細かい模様は抜けません。やはり専用の露光機が欲しいところ。さらに今回9ptの文字も読めて誤差0.5mm以内というかなりハードルの高い案件なので、露光機もバキューム機能があるいいやつが望ましい。
そうすると相当お高くなってしまいます。。。
それと、高い機材を買ってしまうと細かいカスタマイズができないので私の好み的な部分と合致しない。やはり自作しかないか。あと3か月で間に合うのか。
ハードル1.5 版を作る 手描き編
ということで、とりあえず露光のハードルを回避して手描きでどこまでいけるかを試してみます。
サン描画スクリーンというのを使うと、手書きで版が作れます。とりあえずこれでがんばってみる。誤差0.5mmが達成できそうなら、露光機を買います。
ここまでできたらあとは試行錯誤を繰り返す感じですね。
シルクスクリーンでは一般的にはTシャツなどを作ることが多くて、メーカーやネットの情報もTシャツ印刷の方法が主流なのですが、私はカード印刷という特殊な用途で使いたいのでいろいろがんばってみます。
また、もっと簡単に紗張りしたい場合はsurimaccaという製品があります。
ローラーでコロコロするだけ。郵送すれば版も刷ってくれるので3333円+インクだけで本格シルクスクリーンができる。
もうこれでいいじゃん…
という感じなのですが、これは製版の後に紗張りする方法のため誤差が生じます。今回誤差0.5mm以内で刷りたいのでこのサービスが使えません。他の業者でも安い製版だと誤差が生じるので、どうせ試行錯誤するなら、と今回完全自作をもくろみました。