娘の大学受験に向けて、私も一緒に英語をはじめたいなと思って話題の本を買ってみました。
最近の入試ではライティングだけでなくリスニングやスピーキングがかなり重視されているようで、読めるだけじゃクリアできないらしいです。でもおばちゃん世代はyoutubeもipadもなく、CDラジカセが10万円くらいしてウォークマンがもてはやされていた時代。ぶっちゃけリスニングなんて何をやればいいかさっぱりです。
よって、私の英語レベルは「ペッパーピッグ」を聞き取れないレベル。海外旅行ではほぼ聞き取りできないので筆談するしかない。
そこで本屋に行ったら「英語のハノン」というシリーズが大々的に平積みされていたので手に取ってみました。ピアノをやったことがある人なら親しみのある「ハノン」。ドレミファソラシドドシラソファミレド、みたいなシンプルな曲をひたすら繰り返すアレです。あれならさすがに私でもできそう。
というナメた純真な気持ちで手に取ってみました。
英語のハノン初級。
楽勝…?
一番最初の例文を見てみます。
Jackie is often in the library.
ジャッキーはよく図書館にいる。
読める、読めるぞ…!むしろすごく簡単すぎて大人向け英語本としては心配になるレベルだぞ!
一番最初の解説を見てみます。
第一文型を学ぶ
第一文型で使われる動詞を「自動詞」といいます。これは「自分」=「S」だけで文が完成する動詞だからです。
はい知ってるーーーー!親の顔よりみた第一文型ーーーー!楽勝~~~~~~~www
てことで、調子に乗って初級と中級の二冊買ってしまいました。
そして、まぁ一応最初からさらっとやっとくか、くらいの気持ちでやってみて
無事挫折!!
「Jackie is often in the library.」が言えない。なんなら「Time flies」に20分かかった。初級一冊が終わる気がしない。
これ、相当英語に自信がある人でも初級からやったほうがいいです…
後で調べたら「TOEIC900点取れてても初級からやるべき」「英検一級だけど初級で挫折しかけた」「あまりに難しすぎて30分しか集中力がもたない」など恐ろしい情報がたくさんありました。何事も先達はあらまほしきことなり。調子にのってすみませんでした
ただし、実力はめきめきつきます。
どれくらいついたかというと、二週間かけてunit1の前半にじっくりとりくんだだけで「ペッパーピッグ」が6割くらい聞き取れるようになりました。初級はunit19まであるので、この本を一冊終わらせるころにはTEDでもCNNでも余裕で聞き取れる&しゃべれるようになる(かもしれない)というくらいの脅威の伸び率。いままでの英語の勉強はなんだったの?というくらいめちゃくちゃな効果がある。その分めちゃくちゃ大変ですが、でもダラダラと効果のない勉強法をするよりははるかに楽。
そして、聞き取れるってすばらしい!
いままでだってそんなに困ってはいないと思っていたのですが、blenderやUEなど英語がスタンダードなものを学ぶ時にはやはり英語が読めるだけでなく聞き取れると圧倒的に情報量が上がりました。
たとえばこういう動画
なんとなーくだけど聞き取れる!使ってるアドオンとか解説してくれてる!
blenderはまだ日本語解説が多いからいいんですが、UEのしかも4でなくて5となるとほとんど英語で、マテリアル変更すらでてこないありさま。なので英語が聞き取れるとめちゃくちゃはかどる。たった二週間でここまで変わるもんなの?しかもこれが1700円?!大丈夫赤字になってない??
たしざんひきざんを習っていた小学校にくらべて、大人になってからの勉強は難しく習得まで時間がかかるものが多く、「できた!」が実感しにくい気がします。その点、英語のハノンではめちゃくちゃ習得スピードが速いため、子供のころの「できた!」という無敵感が再現されてとても楽しい。英語という高くて厳しい山にロープウェイをつけちゃったようなチート感。
なぜ英語のハノンは難しいのか
なぜ「Jackie is often in the library.」ごときに汗だくで20分かかるのか。
「ジャッキー イズ オフン イン ザ ライブラリー」と読み上げることはそんなに難しくありません。しかし英語のハノンでは、ものすごくいろんなことを0.5秒くらいで判断することを要求されます。
まず文法。
「jackie」と発音しながら同時に、次に何の言葉を入れるべきなのかを考えます。今回は「ジャッキーはだいたい図書館にいる」と言いたいです。そうすると一文型、つまり「jackie」の後に続くべきは「be動詞」。つまりこれはbe動詞を使った一文型。そしてbe動詞は主語と時制に応じて形を変える。jackieは三人称単数でありかつ時制は現在だからここは「is」だ!
というのを「jackie」と言っている0.1秒くらいの間に考えなければいけません。これを全ての単語でやる。もう頭がパンクしかけています。
そして発音。
英語のハノンではネイティブのナチュラルスピードで話すことが要求されます。どういうことかというと、単語どうしがくっついてしまいます。「ゲットアップ」が「ゲラ」に「アップル」が「アポ―」になるアレですね。
そして普通の教科書であれば「サンプル音声を聞いて真似してみましょう♪」となるところを、きちんと理論的に正しく発音することを要求されます。
つまり、「jackie is」は「Jackie is 」でeではじまりiで終わります。つまり母音ー母音の関係です。その場合は単語同士をくっつけてはいけません。「ジャッキーズ」とか発音せずに「ジャッキー ィズ」になります。そして「is often」は「is often」sではじまりoで終わる、子音ー母音の関係です。この場合は「リンキング」という現象がおこり単語がくっつきます。くっつけ方は「s」と「o」を同時に発音する「so」つまり日本語の「そ」に近い発音になります。「イズ オフン」が「イゾフン」になる。
みたいなのもちゃんと考えないといけないんですねー!しかもナチュラルスピードの鬼早口で!文法だけでも頭がパンクしかけてるのに発音も同時にやらないといけないので頭が破裂しそうです。
なので、英語のハノンでは文法と発音を全て瞬時に正しく判断しなければなりません。もはや勉強というより球技。卓球やテニスをやっているときのような集中力と瞬発力が要求されます。一日30分もやると口が筋肉痛になります。
英語のハノンをやるまえにやっておくべきこと
英語のハノン初級編はbe動詞の使い方から始まりますし、内容としては超基本です。なので学校で一通り英語を習った人であれば事前に文法を復習する必要はないと思います。
ただし、惜しむらくは英語のハノンの文法は非常に古く分かりにくいです。現在形、過去形、完了形など、おばちゃんがならったときからアップデートされていない内容で生きた英語になってない。ある程度自力でしゃべれる人なら問題ないですが、そうでないなら事前に最新の文法を一通りやっておいたほうがいいかもしれません。私は「英文法の哲学」という本がおもしろかったです。
それと、発音。
英語のハノン初級ではunit0として発音を詳細に解説してくれています。上に書いた「リンキング」だけでなく「アシミレーション」や「エリジョン」など、これまでネイティブの発音を繰り返し聞いて耳で覚えるしかなかった発音を理論立てて教えてくれるので非常にはかどります。
ただし、これが理解できるようになるためにはアルファベットをきちんと読めるのが大前提です。
「i」は「アイ」、「n」は「エヌ」なのに、「in」は「アイエヌ」ではなく「イン」と読みます。英語では綴りと発音をバラバラに覚えるしかない、と割り切って、がんばって綴りと発音を丸暗記して英語が嫌いになってしまった人も多いのではないでしょうか。
というわけで、まずはフォニックスを覚えちゃいましょう!
英語をひらがなのごとくスラスラ読めるようになります。
むしろこれを中学校のころに教わりたかった。いままでの丸暗記はなんだったんだあの努力をもっと別のところに使えれば…と闇落ちしかけるほどはかどります。
まとめ
英語のハノンかなりおすすめだよ!
めちゃくちゃ実力つくよ!
英語に自信のある人でも初級からやるのがよさげ。
ハノンの前に最新の文法とフォニックスが必須と思うよ!
でした。
それでは楽しい英語ライフを~♪